第7章 放課後デート?
それからすぐにバスが到着し、雨のせいもあり普段空いてるバスの中はいつもより混んでいて、治君とはほとんど話せずに停留所に着いてしまった。
「私の家、バス停からすぐだから傘使って?」
「ちょ、?」
無理やり治君の手に傘を押し付けバスを降りる
薄暗い空は相変わらず厚い雲に覆われているけど、幾分雨は弱くなっていた。
「まだ雨降っとるけど家まで走れるか?」
『うん。』
信ちゃんも野崎さんに傘を貸していてお互い傘のない私達は家まで走る事にした。
パシャパシャと水を弾く足音
「転ばんように気いつけ?」
『またそうやって子供扱いする〜‼︎すぐそこだし大丈夫だよ〜』
雨の中を走ってるのにいつもより足取りが軽いのは
信ちゃんがすぐ後ろを着いて来てくれているからかもしれない。
信ちゃんだけならもっと早く走るんだろうけど、前を走る私のペースに合わせてくれている