第7章 放課後デート?
そしてようやく家の前まで来たところで信ちゃんに呼び止められた。
「」
『ん?』
「これ、気に入るかわからんけど。」
大きな鞄から小さな包みを取り出すと、私の前に差し出してきた。
あ、さっき話してたお土産……
『ありがとう…。』
両手で大事に受け取ると、信ちゃんは少し照れくさそうにはにかんだ。
「野崎も言うてとけどちょっと子供っぽかったかもしれへん。」
『いいのっ!どんなものでも信ちゃんが私の為に選んでくれたってだけで私は凄く……嬉しいから……。』
「はっ、なんや大袈裟やな。とりあえず早よ中入り?すぐ風呂入って温まるんやで。」
『ふふっ、、』
嬉しいのと、相変わらず心配症で過保護な信ちゃんに思わず笑いが溢れる
そんな私の頭に信ちゃんはポン、と手を置くと
「ほなまた明日な、おやすみ。」
優しく頭を撫でた。
『うん…おやすみ……』
濡れた髪がやけに色っぽく見えて胸がドキッと音を立てる
信ちゃんへの"好き"の気持ちがどんどん溢れてく
初めて湧き上がるこの感情の止め方を私は知らない。
"好き"
そう言ったら信ちゃんはどんな反応をするのかな
さっきみたいに優しく笑って頭を撫でてくれるだろうか?
俺もやで。って優しく抱きしめてくれる?
それともーーーーー
小さな包みが濡れないようぎゅっと胸に抱きしめ、走り去って行く信ちゃんの背中を見送った