第7章 放課後デート?
「あのね、北君がお土産屋で真剣な顔で悩んどったからどうしたのかと思って声を掛けたの。
そしたら女の子が喜びそうなお土産が何かよう分からんって真顔で返してきて。」
ーーーー女の子にお土産って、、、もしかして私の⁇
チラリ、と信ちゃんに目を向けると、少し困ったような笑みを浮かべていた
修学旅行に行く少し前、お土産を買って来てくれるって話はしていた
その時も信ちゃんは何が良いか分からないからどんなのがいいか?と聞いてきたけど、信ちゃんに選んで欲しかった私はちゃんと答えなかった気がする。
ーーーーそのせいで悩ませちゃった…⁇
何だか悪い事したなと思ってると、野崎さんが再び口を開いた。
「北君があんまり悩んどるからどんな子にあげるの?って聞いたら、幼馴染やって。
そんでね、そっからがまぁ長いのなんのって。
流行りものには興味ないから派手すぎないものが良い、とか勉強したり本を読むのが好きだから文房具が良いか、とか。でも食べるのも好きだから甘いものが良いか、、、とかもう出てくる出てくる(笑)
どんだけ幼馴染を大事にしてんねんっ‼︎って内心ツッコミ入れたぐらいやもん。」
そんな風に私の事考えながら選んでくれたなんて…
どうしよう、、嬉しい、、、‼︎
緩む口元と気恥ずかしさに信ちゃんの顔を見れなくなってしまった。
「・・それはすまんかったな。」
「フフッ、こうして実物のちゃんに会えたからええよ。
北君が大事に可愛いがってるの、よう分かるわ。」
えっ⁈と顔を上げると笑顔の野崎さんと目が合った。
でも、、
彼女の口は綺麗な弧を描いてるのに、大きな瞳の奥は悲しげに揺れてるように見えてーーーー少し戸惑った。
けどそれはほんの一瞬で、すぐに明るい表情へ戻ると謝る信ちゃんを茶化している。
さっきの表情は気のせい、じゃないよね…。