第7章 放課後デート?
何を話したら良いか分からず横に立っている信ちゃんに視線を向けるけど、何やら治君と話し込んでいる
えっと…
こういう時、何話したら良いんだろう…
ぐるぐると思考を巡らせていると、ちょんちょんと肩をつつかれた
『?』
首を傾けると野崎さんは小さな声で、
「もしかして治君と付き合っとるの?」
と耳打ちしてきた
目を見開きぶんぶんと首を横に振ると、彼女は大きな瞳を瞬かせた
「何だぁ〜凄く仲良さそうに見えたから、てっきり彼女なんやと勘違いしてしまったわ〜。」
肩を竦めながらエヘッと無邪気に笑う野崎さんに、私はまた俯くしか出来ない
私も聞きたい事はある…
けど怖くて聞けない。
もし聞けたとしても私にはその答えを彼女のように笑って受け流す術はない…
1人どんよりとした空気を醸し出していると、信ちゃんが心配そうに声を掛けてきた。
「?大丈夫か?」
『あ、うん、大丈夫。』
少し引き攣っていたかもしれないけど何とか笑顔を作ってみせる
「あれ?もしかして…ちゃんが北君が話してた近所の幼馴染の子なん?」
「あぁ、せやで。」
ーーーー話してたって、信ちゃんが⁇
思わず2人の会話に反応してしまう。
「何や〜、せやったらもっと別のもん選べば良かったやん!私はてっきり歳の離れた女の子かと思っとったよ。」
「一個下、って話しせぇへんかったか?」
「聞いてません〜。」
話してる内容がイマイチ掴めない私と治君はただ野崎さんと信ちゃんの会話を黙って見ているしかない。
するとそんな私達に気付いたのか野崎さんが何かを思い出したかのようにフフッと笑い出した。