第7章 放課後デート?
ち、近いっ!
そしてこの手はいつまでこうしてるんだろう⁇
肩に置かれた手が気になりつつも、今治君を見上げる勇気はなく、とりあえず俯きがちに歩いていると、突然治君の足が止まった。
バス停を目前にどうかしたのかとふと顔を上げると、
『・・・・。』
駅の方からバス停へと歩いてくる私達と同じ制服を着た男女2人が目に入った
背の高い2人は遠目からでも目立っていて、その上大きな荷物を抱え旅行帰りなのは側から見てもすぐに分かる
ーーーー信ちゃんと女バレの人…
大きめの黒い傘1本に身を寄せ合う姿は皮肉にも私と治君と同じ状況で。
ズキン、と胸に痛みが走った
傘、、彼女の方へ傾けすぎだよ、、、
それじゃあ信ちゃん濡れちゃうじゃん……。
この3日間、早く帰って来ないかなと待ち望んでいた筈の姿なのに何故か泣きそうになってくる
「・・・、もう少しどっか寄り道しよか?」
立ち竦んでいた私を気遣うかのような優しい声が降ってきた
ふと気づくといつの間にか肩に置かれていた手は離れていて、私と治君の距離は少しだけ空いていた