第7章 逢瀬その7
「うん、あの店とても好き…」
「じゃ、良かった」
美智は笑顔でそう話した。
そんな会話があり、二人は食事に行くことになったのである。
夕方まで時間がある。
美智は家事をこなした。
洗濯物を取り込んだり、飼い猫に餌をやったりしていた。
夕方になると美智は洋服を選び始めた。
どれを着て行こうか迷っていたのだ。
美智は半袖の淡いオレンジの生地に小さな花柄が描いてあり前にボタンが付いているワンピースを着ていくことに決めた。
美智はとても嬉しかった。
今まで、龍一は仕事が忙しく家を空けることが多かった。
出張で家を空けることなど当たり前だったのだ。
そんな龍一から外食の誘いがあったのだ。
美智はとても寂しかった。
でも、今日は違うのだと思った。
美智は龍一に今日のワンピース姿を見せた。
どんな返事が返ってくるのかと思ったのだ。
「美智、そのワンピースすごく似合ってるね」
「そう?ありがとう。嬉しい」
美智は満面の笑みでそう答えた。
龍一はタクシーを呼んだ。