第7章 逢瀬その7
「り、龍一さん、好きよ…」
「俺もだよ、美智…」
美智はとても満たされていたのだ。
龍一とは数年ぶりのセックスだった。
美智はこの日をずっと待っていたのだ。
そして、その願いは今夜叶ったのだ。
龍一が美智の身体から離れると美智の脚を伝って精液がシーツの上に流れて行った。
二人はその後、静かに眠りについたのである。
◇
数か月後…。
美智は今月生理が来ないのをおかしいと感じていた。
薬局に行き妊娠検査キットを買ってきて検査をしてみることにした。
ドキドキしながらトイレで検査キットに自分の尿をかけてみた。
待つ事数分。
赤い線が2本出てきた。
検査結果は陽性だった。
美智は妊娠したのである。
しかし、薬局で売っている検査キットではハッキリとした答えではないと思っていた。
美智は直ぐに産婦人科へと行ったのだ。
そして、また改めて妊娠検査をしてもらった。
その結果、妊娠2か月であるとわかったのだ。
結婚して7年の歳月が流れていた。
その晩、美智は龍一にこう話した。
「龍一さん、私、妊娠したみたい…」
「本当か?」
「ええ、本当よ」
「やった!美智、ありがとう」
「ええ、私、とても嬉しいわ」
「俺もだよ…」
こうして美智の婚外恋愛は終わり龍一との結婚生活は新たなスタートを切ったのである。
(おわり)