第6章 逢瀬その6
「ちょっと水でも飲んで酔いを醒ますといいよ」
そう言って冷蔵庫からミネラルウォーターを出し手渡した。
美智はそれを黙って飲んでいた。
「少しは醒めたかな?」
「はい、大丈夫です…」
暫くすると中嶋は尚も話始める。
「俺は、ずっと山下さんのことが好きだったんだよ…」
「え?…」
「でも、俺は結婚してたから言えなかった」
「私にも夫がいます…」
「でも、上手くいってないんだろ?」
「……」
美智は何も言えなくなってしまった。
「セックスだってしてないんじゃないか?」
「え?…」
「今夜は俺が相手になるから…」
「でも、中嶋さんには奥さんがいるじゃないですか…」
「嫁とはもう何年もやってないんだ…」
「そ、そうなんですか…」
中嶋はその言葉を聞くと美智の唇に自分の唇を重ねていった。
二人の舌が縺れ合い艶めかしかった。
中嶋はキスがとても上手かったのだ。