第6章 逢瀬その6
二人はそう話すとライオンビアガーデンの方に歩いて行った。
ビアガーデンに入ると週末もあってか物凄く混んでいた。
二人は座る席が無いのではないかと心配していた。
すると、ボーイがやってきた。
「お客様は2名様ですか?」
「あぁ、そうです。席空いてますかね?」
中嶋がボーイに訪ねた。
「大丈夫ですよ。お二人なら席はございます」
「あぁ、良かった…」
二人はちょっと奥まった二人席に通された。
美智はライオンビアガーデンが初めて来た場所だった。
ちょっと驚いていたのだ。
店の中に入るとその広さに圧倒されていたのである。
席に着くと二人はメニューを見ていた。
「山下さんは何飲む?」
「え?ここってビアガーデンですよね?」
「そうだよ」
「ワインとか飲んでいいですか?」
「別に構わないよ」
「じゃ、グラスワインの白をお願いします」
ビアガーデンに来てワインを注文するなど美智はちょっと変わっていた。
「ビールは苦手だったっけ?」
「いえ、今日はワインが飲みたかったんです」