第3章 逢瀬その3
係の女性がお茶を持ち、オーダーを取りに来た。
「ご注文の方はお決まりですか?」
「ちょっと待ってくれないか?」
そう佐藤は言うと美智にメニューを見せた。
「さ、どれを食べますか?」
「どれも美味しそう…」
「じゃ、コースを頼みましょうか?」
「ええ、それがいいわ」
「じゃ、かにすきのコースを二人前お願いするよ」
「はい、分かりました」
そう女性は言うと部屋から出ていった。
佐藤は美智よりもかなり年齢は上の様であった。
「僕はね、彼女と最近別れたばかりなんだよ」
「そうなんですか」
「うん、英語が堪能な女性でね」
「そうなんですね。私は英語が苦手で…」
佐藤は英語が堪能な女性を探しているらしかった。
暫く話しているうちに料理が運ばれてきた。
かにの刺身に焼きガニ、かにすきなどの料理が並ぶ。
かにを食べると寡黙になるが、二人は違った。
食べながらの良く会話をしていたのだ。
談笑しながら二人は料理を堪能した。
美智はまた強かにお酒を飲まされたのだ。