第2章 逢瀬その2
二人はオフィス街をブラブラと歩いて行った。
暫く歩くと、鰻屋ののれんが見えてきた。
白いのれんがとても清潔感を感じさせてくれる。
二人はその店に入っていった。
今回も青柳は予約してくれていたのだろう。
直ぐに奥の座敷に通された。
店の人がおしぼりとお茶を持ってオーダーに来てくれる。
青柳は白焼きのコースを頼んでいた。
「美智、今日もお酒を飲んでいいからね。僕は車だから飲めないけど」
「うん、分かった。いつもありがとう」
「気にしなくていいよ。美智は年の離れた妹みたいだからね」
「妹?」
「そうだよ。妹だよ」
その言葉を聞いて美智は複雑な気持ちになった。
そんな会話をしているうちに鰻の白焼きが運ばれてきた。
美智は鰻の白焼きを見るのも食べるのは初めてだった。
「そのまま食べたらいいよ」
「そうなの?」
そう言われたのでそのまま食べてみた。
それは物凄く美味しかったのだ。
身はふんわりと焼かれており、口の中に入れるととろけていくようだった。
美智は日本酒を飲みながら白焼きを堪能した。
その姿を見て青柳は微笑んでいた。