第2章 好き、だから
「今日静かだね」
「そっか、ちゃん昨日帰ったから知らなかったよね」
「ん?何かあったの?」
「梅達、今日喧嘩するみたいだよ」
「えっ?喧嘩!?」
まさかね…
違うよね…。
ポトスで仕事していると、いつも賑やかな遥やその友達が居なく静かだった。
一方、ボウフウリンと獅子頭連の喧嘩が終わり屋上にて、料理を持ち寄って “打ち上げ”が行われていた。
そんな時…――
「…十亀、ちょっといいか?」
「ん?」
十亀は、声をかけてきた梅宮の方に目線を向けた。
ずっと気になってた。
「それ、十亀のか?」
それと言いながら首に付けていたネックレスを指さした。
違ってほしいっと何度も思った。
「あ~これ、大切な人から借りてきた~」
「…そうか…十亀、だったのか…」
小さな声で呟く梅宮の声は十亀には、届かなかった――。