第2章 好き、だから
「…、明日…タイマンに勝ったら…」
「…条、くん…」
明日、条くんはタイマンをする。
それに条くんが勝ったら………
「…前の人好きでも良いから、付き合おう…。それに、そろそろ、俺が限界かなぁ」
そう言いながら条くんは、ギュッと私を抱きしめた。
「…」
条くんの気持ちに応えたい…。
でも、この時「うん」の一言が出てこなかった。
「…んじゃこれは、お守りにね」
「なにこれぇー」
「小さい頃から私が肩身離さず持ってるものだよ」
自分の首にずっと付けていたネックレス。
それを条くんの首に付けてあげた。
「へぇー。んじゃ勝てるねぇー」
そう言いながら条くんは、ニタッと笑いながら顔を私の肩に乗せた。
「…条、くん?」
「…」
この時、私が喧嘩の相手を聞いてれば良かった。
そしたらあんな結果にならなかったかもしれない。