第1章 再会
右手を心臓に当てると早くなっている鼓動。
普通に出来ただろか――。
3年前より一段と大人になった梅ちゃん。
私より一つ下だから最後に会ったのは、梅ちゃんが中学2年生。
背も大きくなって、体格も男の子から男になっていた。
「…って、」
「!!!」
急に手を引かれて振り向くと梅ちゃんの姿。
な、なんで追いかけてくるの―――
「少し、時間ある?」
そんな顔でこっち見ないでよ。
そんな目でこっち見ないでよ―――。
「ごめん、急いでるから」
「ならいつならいい??」
梅ちゃんの水色の瞳が真っ直ぐ私を見てギュッと掴まれている腕に力が入った。
「…5分だけ」
小さな声で返すのがやっとだった。