第2章 錯綜と交錯。
翌日コナンと待ち合わせをし、改めて件の男性客の消えた商店街に行くことになった。
商店街さしかかろうとした途中で、買い出し帰りらしき安室の姿を見つけた。
その後を、例の男性客が尾行をしている場面に直面する。
「さん…」
『うん…あの人で間違いない』
2人は安室を尾行する男性客の後を追う。
安室が路地を曲がるなり、男性は小走りで追いかける。
その後を追おうとすると、コナンに制止された。
「待って」
『え?』
コナンは曲がり角の先を指さした。
「この先は行き止まりだ」
黙って頷く。
尾行されていることに気付いた安室は、男性の目を盗むように電柱の影に隠れて、袋小路へと誘い込んだようだ。
コナンとは路地の曲がり角からその様子を見守る。
男性客は行き止まりで消えた安室を探して周囲を伺っている。
けれど、背後から突如姿を現した安室に動揺を隠せずに狼狽えている。
「別に…この先に用があって」
「この先は行き止まりですよ?最近ポアロに良くいらっしゃるお客様ですよね?なぜ僕を尾行するのでしょうか?」
そこまで聞き終えると、何も言わずに逃げ出す男を追うために、安室と同時に2人も走り出す。
すると安室のスマホに梓から着信が入り、立ち止まり通話を押した。
「安室さん、大事件!!!アイスを買ってきて!」という梓の声は、ちょうど真横を差し掛かったコナンとの耳にも届いていた。
『緊張感…ないね』
「ないね」
コナンとはそのまま男性客を追いかけた。
男は路地を曲がる。
『そこが商店街に繫がる路地!』
2人が路地を曲がる頃には、男性客はまたしても姿を消した。
は顎に親指をあて唇に人差し指をあて考える。
その横で、コナンも考え込んでいた。
『また巻かれちゃった…』
「うん…、でも、そろそろ出てくると思ったんだけど」
『出てくる…?』
「しまった!!さん!ポアロだ!!」
コナンの一声で走り出した2人。
『どういうこと?』
「着けばわかるよ!」
ポアロに到着すると、安室の背後に忍び寄る男の影があった。