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【名探偵コナン】Redo*misty【降谷 零】

第2章 錯綜と交錯。


身体を拭き終わりスウェットに袖を通すと、背の高い彼の服は案の定ぶかぶかった。

軽くタオルドライをした頭にバスタオルを巻いてリビングへ戻った。
差し出されたミネラルウォーターを受け取る。

『ありがと…』
「ドライヤーはそこに」

入れ替わりで安室がバスルームに向かった。
その間に髪を乾かした。

お風呂を出た彼は頭を雑に拭いてから、テーブルにつまみを並べる。
そして冷えた缶ビールだ。
どちらともなくカツンと缶をあてて一気に呷る。

『はぁ…最高…』
「はぁ、うまい!」

つまみを前に、"両手をあわせて、いただきます"。
これはのとる昔からの習慣だった。
その変わらない姿に、彼は目を細める。

『すご…美味しいっ!』

これが料理男子の性能かと…は思う。

「それは良かった」

安室は満足そうな、可愛い笑顔で笑っていた。
暫く他愛のない会話を続け、畳の上に無造作に置かれた本に手をだした。

『読んでいい?』

安室は頷いたあと、スマホを手に何かをはじめた。

『それ、何してるの?』

スマホを覗くと、ゲーム画面らしきものが映る。

『ゲームとかするの…ちょっと意外』
「もやってみるか?」
『うん』

あまりにも自然に敬称が外れたことに、2人は気付いていなかった。

ダウンロードが終わりゲームをはじめる。
キャラクター選択から、あれこれと相談をしながら進めていく。

『安室さんの「零でいい」
『…零の…、その、普通の男の子っぽいところいいね』
「?」
『自然で可愛いよ』

それは安室にも言えることだった。

「も、前の君ならゲームなんて興味を持たなかった…」
『そっかぁ、出来なかったことを私がしてるって事ね!』

"今の君も俺は好きだ"と続く言葉は、この場に水を差すことだと飲み込んだ。

そのまま2人はしばしゲームに没頭し、気づけば深夜をまわっていた。

『あっ…こんな時間、明日仕事?』
「休みだ、急な仕事が入らなければな」
『でも、そろそろ寝ないと』

2人はテーブル上を片付けて、寝る準備をする。
一人暮らしの男性の家にベッドがひとつなのは、考えずともわかることだ。

『ヘマしないんでしょ?』
「ははっ、しないさ」

不敵に笑うに、不敵に笑い返す安室は同じベッドにもぐりこんだ。
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