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【名探偵コナン】Redo*misty【降谷 零】

第1章 記憶と感覚。


安室は何食わぬ顔でカウンターの中へと戻った。
は蘭の正面に腰を掛ける。

『待たせちゃったかな、ごめんね!』
「いえ、大丈夫です」

コナンも、蘭の隣へと腰を掛けた。

「紹介がまだだったね、こちらさん」
「よろしくね、さん!」
『よろしくね、コナン君』

どこからどう見ても、あどけない少年だ。
そうでしかないのに、何かが気にかかる。

「依頼をしきてくれたのに、お父さんが帰ってこなくて…」
「依頼内容を聞いてもいーい?」

子供相手に話したところでと思う反面、じっとこちらを見る目は、探られているようなそんな視線だ。
怪しまれているのか、どこに怪しまれる要素があったのか。
なんだか居心地が悪い。

『依頼は…』

と、言いかけたところで、蘭のスマホが着信を知らせた。

「お父さんっ!何時だと思ってるの?さん待ってるんだよ!」

怒る蘭に、スマホの向こう側から必死に弁明する声が聞こえた。

「もうっ、本当にごめんなさい。あと5分程で戻るそうです。事務所に行きましょう?」
『そんなに謝らないで…。そうね、依頼内容もそっちでいいかな?』
「うん、もちろん」

伝票を手に取りレジへ向かう。

「私が払いますっ」

気の遣える良い子だ。

『気にしないで』

レジには安室が控えている。

『ごちそうまでした』
「ありがとうございました」

あの笑みを浮かべながら、手渡されたお釣りには、小銭とレシート以外の感触がある。
折りたたまれた紙のような、少しかさばる感じがする。

何を手渡されたのだろう。
素知らぬふりで受け取り、それごと財布にしまい込んだ。
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