【NARUTO】Break&Peace ⑵【うちはオビト】
第10章 Dawn31.それぞれの今と世界の今
鼬「どれだけ酷だか…お前にわかるか?」
イタチはあの時悲しそうな顔をして笑ったリンを思い出し、拳を握った。
鼬「リンに『俺を頼れ』と言った時、打算がなかったと言えば嘘になる。それに、リンを苦しめるお前なんかに彼女を渡したくなかった」
オビトの心にズキズキとイタチの言葉が突き刺さった。
帯「俺は…リンを、リンを…」
帯(守りたくて…)
うろたえるオビトを、イタチが真っ直ぐ見つめた。
鼬「守ってあげてください」
帯「!?」
オビトがハッと顔を上げてイタチを見ると、彼は微笑んでいた。
鼬「リンを想えば想うほど彼女を守ってやれるのは俺じゃなく、お前なんだと思い知らされた。リンはオビト…お前を愛しているから…」
イタチはそう言うと、オビトにゆっくりと頭を下げた。
鼬「リンを守ってあげてください。大切にしてあげてください。共に…いてあげてください」
イタチの黒髪が垂れる。
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