【NARUTO】Break&Peace ⑵【うちはオビト】
第10章 Dawn31.それぞれの今と世界の今
鼬「リンはずっとあなたの帰りを待っていた。オビトさん、あなたが残した手紙を握りしめ、愛する人の帰りをずっと待っていたんだ」
帯「………」
鼬「お前は自分の進む道を己だけで決め、突き進んできた。お前は自分の道を全うできてさぞ満足だろうな。だが、何も知らず手紙だけ残されたリンの気持ちはどうだ?考えたことはあったか?」
帯「頭から離れなかった。だが、俺はリンにもう暗闇に戻ってほしくなかった…」
鼬「それは本当にリンのためになったのか?」
イタチは目をそらすオビトの瞳を見つめながら話す。
イタチはオビトよりも近くでこの一年半のリンの姿を見てきたからこそ、オビトのしたことが許せなかった。
鼬「残されたリンはそれでも必死に笑顔をつくっていた。笑っていたよ。本当は苦しいのに、その感情を押し殺して明るく振舞っていた。俺にもそうだった。きっと毎日毎日そうして過ごしてきたんだろう」
あの明るくて笑顔の絶やさないリンがふとした時に寂しそうでいつもうつむいていたのを思い出し、イタチは拳を握り締める。
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