第4章 episode.4 デート?
昼食は、シュウさんが選んだカフェで過ごした。
素朴な、こぢんまりとしたお店。
メニューも、メインはフレンチトーストやワッフルくらいしかないみたい。
有名な店とか…ゴージャスで特別感のある店じゃなくてすまんな。と言われたけれど。
客層も騒がしくなく、穏やかな雰囲気だったので…とても落ち着いて食事ができそうだった。
「隠れ家みたい。好きですよ。私。こういうお店」
「そうか、ならよかった」
…なーんだろ。
特別、盛り上がるとか…ワイワイ楽しいとか…そんなのは無いのだけど。
本当に居心地いいって言うか。
何度も思うけど、気が楽…
席について昼食をオーダーし終えたところで、そんな風に思っていたら…。
シュウさんがポソリと呟いた。
「君といると気が楽でいい」
…なんて。
私が思っていたような事を言うから。
「…同じこと思ってました」
つい、そう返す。
「そうなのか?」
「は、はい…。何と言うか。シュウさんと居ると落ち着くって言うか…歩幅が合う、というか…」
…って。
この場合の歩幅が合う、って日本語の意味、彼に伝わるんだろうか?純粋な日本人ではなさそうな…シュウさんに。
「あ。歩幅って…そうじゃなくて。普段の歩幅は全然合いません。シュウさんは脚が長いし。スタコラ歩いてっちゃうし。って、えっと…そういうんじゃなくて…」
なんて伝えればわかってもらえるんだろう…と、首を傾げた。
すると、そんな私を見てシュウさんが笑った。
「ははは、君は面白いな」
「えっ…?」
面白いことなんか、何一つ言っていないけど…!
どこをどう捉えたら面白くなるの…
シュウさんのツボがよくわからない…
気が合うんだか、合わないんだか…
なんだかよくわからなくなった昼食の時間だった。
でも…シュウさんは、どちらかと言えば機嫌が良さそうで。
終始、穏やかな表情をしていたから、まあいいか…と思った。