第4章 episode.4 デート?
「ん?」
寝顔を見つめていた私はふと、首を傾げる。
あれ?よく見たら、シュウさんって結構イケメン?
こんなにじっくりと見ることなかったから、気付かなかったけど…結構。
私の好みのタイプかどうかは置いておいて。
結構…いや、かなり…かっこいい人…かもしれない。
そう思ったら、途端に頬が熱くなってきた。
いやいや。そんな。お顔立ちがかっこいいと思っただけであって。
好きになったりはしてないよ?
でも、こんな間近にイケメンのお顔があったら、どんな女性もドキドキしてしまうと思うのよ…。
ただ、それだけ。
好きにはならない。
…そうだよ、だって。10日間だけの関係。私を助けてくれた、救世主で、あくまでお兄ちゃんみたいな存在。
なぜだかわからないけれど…私は心の中で必死に言い訳ばかり考えていた。
このままここにいたら心臓に悪いな…
そーっと起きて、朝ごはんの支度でもしておこう。
私は彼を起こさないようにゆっくりと腕の中から抜け出した。
シュウさんと離れてしまったことで、途端にひんやりとする体を摩りながら…
「さぶっ…」
朝ごはんは何を作ろうかなぁ。
シュウさんの好みの味とか…まだ知らないし。
何が好きなんだろう。
お世話になっているお礼という意味で、こうしてご飯を作ったり、家事をしたりしているので。
できるだけ彼の好みに寄せたいんだけど。
なにしろ、まだ一昨日知り合ったばかりの関係。
知るはずもなく。
…って。
「私とシュウさんってまだ出会って2〜3日しか経ってないのか…」
洗面所に向かいながら、ふと、そんなことを思った。
思わず廊下で足を止める。
だって…あまりにも彼と一緒に居るのが居心地がいいから。
自然でいられるから…。
多分それは、彼が、私に多くを求める人じゃないからというのも理由の一つだろうけど…
きちんと私の話を聞いてくれて。でも、言いたいことはストレートに隠さず言ってくれるし。
更には、肝心な時には寄り添ってくれて、それでいて…近すぎず遠すぎず、丁度いい距離感を保ってくれているからだと思うんだけど…。
なんにせよ…
とても…一緒に居て気持ちが楽なの。
なんでかな。
なんだか、不思議だな。