• テキストサイズ

キューピッドはスーツケース【赤井秀一】

第4章 episode.4  デート?







episode.4
 デート?


(ユリ side)





んん…瞼を閉じていてもわかる。

朝日…眩しいなぁ。
朝…なんだろうなぁ。

あったかい何かに包まれて、ほわほわと幸せな目覚めだなぁ…

そして、トクン、トクン、と…一定のリズムの音が聞こえる。
…心臓の音?
なんだろう…と、目を覚まして…目の前に飛び込んできたのは。


「……ぇ?」

とーっても立派な胸板。
そして、少し目線を上げると…鎖骨、そして首元が見えて…

そのまま見上げると、シュウさんの…寝顔。

「ッ!」

あまりに近かったので、驚いて声にならない声を上げてしまった。
途端にバクバクと心臓の音が鳴るようだった。

えっと…この状況はなに???
軽く抱きしめられてるようなんだよね
ふわっと包み込まれるような感じで。
がっしりと筋肉のついて重たい腕が、私の背に回っていた。
退けようと思えば退けられそうな力加減で…。


パチクリと目の前の寝顔を見つめてしばらく固まってしまったけれど…

とりあえず、少しずつ思い出した。
昨夜のことを…。

私がまた、寝ながらうなされていたので…シュウさんが、優しさで一緒に寝てくれたんだよね。
多分そのまま、抱き枕か何かと勘違いされただけだと…思うんだけど。

「…心臓に悪いよっ」

思わず、小さく呟く。

すぅ、すぅ、と一定のリズムで寝息を立てているシュウさん。

…寝顔、綺麗だな。
やっぱり海外の方はこう、堀が深くてさ。
目を瞑っていても絵になるよね…羨ましい。
鼻高い…いいなあ。
なんて、しばらくじーっと寝顔を見つめていた。


/ 98ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp