第2章 episode.2 ポトフ
「シュウさんはしっかりベッドで寝てください!!」
そう何度も言う、私の勢いに押されて少し戸惑ったようだったけれど。
シュウさんは深いため息をついて。
「女性をソファに寝かせて自分がベッドでなんて寝れんよ。」
と言いながら立ち上がり、見下ろされる。
急に高身長な男性から見下ろされると、圧が…。
思わずヨロッと後ろに後ずさりしてしまう。
いや、このままではいけない!
私も負けじと喰らいつく。
「でもっ!あなたはここの家主でっ、私はただの居候でっ…迷惑をかけてばかりで…!そんなの、そんなのっ」
うーーっ!
あと何!?なんて言えばいい?
と頭の中をフル回転させていれば。
「…わかった。わかったからそう大きな声を出すな」
彼の大きな左手が、私の頭上に伸びる。
ポンポン、と大きな手に軽く撫でられた。
思わず目を瞑った私を置いて…彼は歩き出す。
リビングを出て、寝室に向かう廊下へと向かって。
「ついてこい。同じ部屋で寝るくらい我慢してくれよ。君が言い出したことなんだからな」
と…遠くなっていく背中越しに言われた。
「えっ…」
慌てて追いかける。
彼は寝室に入って行った模様で…。
「……あの、シュウさん…?」
ポツンと廊下に立ち尽くしていると、「早く来い」とぶっきらぼうな声が寝室の中から聞こえた。
ってことは…えっと。
一緒に…寝ようって…こと…??
えーーーっ!
そ、それはそれでやばい…
つい、ポウっと頬が熱くなる。
ど、どうしよう…