【WIND BREAKER:®️指定】My friend
第4章 ®️独り占め出来ない
「最近目が悪くなったのか、本を読む時はメガネしてるんだ。」
(黒縁メガネの先輩カッコいい…。)
いつきは図書室の窓の下までくると、マジマジと梅宮のメガネ姿を堪能する。
あまりに見られるので、梅宮は少し照れた様に頭を掻いた。
「……もう気持ち隠さないんだね。」
梅宮は少し意地悪そうな顔で、笑っていつきに言った。
「まぁ…お正月にアレだけ叫んじゃいましたから……。」
今更いつきの言葉を無かった事にされるのも嫌だった。
いつきは今、惜しみなく中学生活最後の時間を、梅宮に気持ちを伝えている。
「先輩、高校受かったのに、図書室で勉強していたんですか?」
「……………。」
いつきが窓から図書室の中を覗くと、梅宮以外人は居なかった。
受験も終わりに近付いて、使用している受験生が少なくなった様だ。
「…… いつきが花壇に来るの待ってたんだよ。」
「え?」
驚いていつきが梅宮を見ると、その顔は少し赤くなっていて少しバツが悪そうな梅宮の顔があった。
「……何でですか?」
梅宮に待たれる様な覚えは無かったので、いつきは純粋に疑問に思って梅宮に聞いた。
「… いつきは俺にチョコ無いの?」
そう照れた様に言った梅宮に、いつきは口を書いた開けて驚いた。
「……先輩……私からチョコを貰えると思うなんて、結構図々しいんですね……。」
「……やっぱり無いのかぁ……。」
ガッカリした様に項垂れる梅宮に、いつきは思わずため息が出た。
いつきと距離を取ろうとしたり、バレンタインのチョコが欲しいと言ったり。
梅宮の気持ちが良く分からない。