• テキストサイズ

【WIND BREAKER:®️指定】My friend

第1章 ®️彼は何故堕ちたのか




『花壇を上手く使えば、育てられる野菜苗はあるかもしれません…。』

いつきがそう言うと、一瞬で暗かった表情が明るくなった。


『本当?!俺に教えてくれる?!』





その時の梅宮の顔は今でも覚えている。
そう言って期待に満ちた顔でいつきに笑顔を向ける梅宮に、いつきはすぐに心を奪われた。



梅宮はゆっくりいつきに近付いて来て、いつきの前に腰を下ろした。

目の前に蒼い目が向けられた。



『俺、梅宮一。君の名前は?』



そう聞かれて高鳴った鼓動を悟られ無い様に、いつきは梅宮からが顔を逸らした。




『前橋いつきです……。』

『いつきね、いつきちゃん?』



ちゃん付で呼ばれて、いつきの顔が赤くなった。

自分の名前を呼ぶのは、身近では十亀しか居なくて、その十亀ですら『ちゃん』とは呼ばない。



言われないない名称に戸惑って、いつきは咄嗟に言った。



『……… いつきでいいです…。』



そう言ったいつきに、梅宮の表情が一瞬固まった。

いつきは自分が言った言葉に後悔しそうになるが、すぐに梅宮は笑顔を作った。



『じゃあいつき。』




そう言って、満遍の笑顔を見せた梅宮を、多分一生忘れないと思った。







それが、梅宮一との出会いで。

いつきにとっては初恋の瞬間だった。



いつきは初めて知った胸の鼓動に、いつまでもその笑顔を見ていた。








/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp