【WIND BREAKER:®️指定】My friend
第4章 ®️独り占め出来ない
いつきは何も言わず、ササッとベットから降りると、そのまま十亀の部屋を出て行った。
「……………。」
いつきが出て行っても、しばらく十亀は動けなかった。
(……今何した?俺……。)
情欲の熱もだいぶ冷めてきて、十亀はやっと今の出来事を思い返した。
『いつきを抱き締めながら射精した。』
その事実が頭の中に浮かぶと、十亀は青くなって両手で顔を覆った。
(いつきが無知で良かったぁ……バレたら大変だった…。)
いつきの反応を思い出しても、戸惑った感じはあったが、何をしていたかは気付いていなかった。
もしバレていたら、いつきの反応ですぐに分かる。
手を使わずに射精をしたのは初めてだった。
いつきを抱き締めて、いつきの感触と匂いが妄想では無くて、それだけで射精感は抑えられなかった。
少しいつきに押し付けた下半身が擦れただけで、十亀はズボンの中でそのまま射精した。
冬で良かった。
いつも夏のいつきの服装なら、勃起していた事に気付かれていた。
(自分でやるのより、凄く気持ち良かった……。)
罪悪感はあるのに、あの衝動が凄すぎて十亀はずっと胸が高鳴りっぱなしだった。
服の上から抱き締めただけで、あの衝動なのだから、もし直接肌で抱き合ったなら、どんな感触なのだろうか。
そんな事を考えていたら、治ったさずの下半身に、また熱が籠った。
自分の体液で汚れた下着の中で、再び勃起するのは気持ちが悪かった。
十亀はやっと布団から出ると、大きくため息を吐いた。