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【WIND BREAKER:®️指定】My friend

第4章 ®️独り占め出来ない


そんな事を言われても、いつきが望む時間は時間を与えられないと言い切った梅宮にガッカリすべきなのか。

それとも会いたいと身勝手に言われても、喜んでしまうこの気持ちに正直になるべなかなのか。




神様にお願いした事は、どうやら叶えて貰えそうだ。




「……私にどうしろと言うんですか?」
「…今のまま、変わらないで欲しい。」
「………………。」


本当に。
梅宮一を何で好きになってしまったのだろう。




「私以外の女の子が泣いても抱き締めないですか?」

「した事ないよ、そんな事。」


……泣かせる事はした様だ。
自分も結局泣くだけで終わりそうだ。



いつきは俯きながらため息を吐いた。
そのいつきの行動に、梅宮の肩が少し跳ねた。




「……連絡します。気が向いたらですけど。」


顔を上げていつきはジトッと梅宮を見る。

それでも連絡をくれると言った事が嬉しかったのか、梅宮はホッとした様に笑顔になった。



「………………。」

(ずるいなぁ……。)

怒っているのに、その笑顔を見ただけで、許してしまいそうになる。



「……家まで送らせて…。」

本当はこのまま神社で別れるつもりだった。



だけどいつきと話して、もう少し側に居たくなった。

「大丈夫です。今日は商店街も飲屋街も人が多いですから。」
「………変なのに声かけられたら、すぐ連絡してね。」



結構あっさりいつきは梅宮の提案を断って、梅宮の方が未練がありそうだ。

その立ち位置に、少し胸が軽くなった。




「……おやすみなさい……。」
「気を付けてね…。」


そう挨拶を交わして、いつきは梅宮に背を向けた。



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