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【WIND BREAKER:®️指定】My friend

第4章 ®️独り占め出来ない


梅宮と話をしていたら、あっという間に順番になった。
並んでいるただの時間すら、梅宮とだったら時間が足りない。



お金を入れて2人で手を合わせる。

「……梅宮先輩が風鈴高校受かります様に。」
「…自分のお願い事しな。」



ワザと声を出して言うと、梅宮は目を瞑ったまま笑いながら言った。





「……梅宮先輩が高校に行っても、私に会ってくれます様に。」
「………………。」



口に出したら、願い事は叶わないんだっけ?



でもそれでも良かった。
梅宮はそんないつきの言葉には返事をしないで、2人は参拝者の列から離れた。




「先輩ありがとうございました。」

人通りから離れると、いつきは梅宮を見上げて言った。



その時の梅宮の顔は少し困った顔をしていたけど、それでも笑顔は崩していなかった。


楽しかったけど、これ以上梅宮は自分には時間を使ってくれない。

分かっているから、いつきは自分から別れを切り出した。




「いつき。」



梅宮から離れようとすると、いつきの名前を梅宮が呼んだ。
その声にいつきは梅宮を振り返る。


「俺が高校行っても会うよ。」



白い息を吐きながら梅宮は笑いながら言っていた。
その梅宮の顔を見て、いつきは顔を顰めた。



「……いらないです……。他の人と同じ時間はもういらないです。」



友達なら、高校で離れても会うのが当たり前だろう。
多忙な梅宮の空いた時間で、たまに会えるならそれでもいい。


いつきの唇と瞼が震えた。
泣くのを我慢していたからだ。


だけど今は、そんな時間だけでは涙が出るくらいに虚しいんだ。
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