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【WIND BREAKER:®️指定】My friend

第3章 私だけの貴方




観念して、プレゼントを出すと、十亀は笑ってそれを受け取った。
顔を真っ赤にして困った顔をしているいつきが、十亀の反応を見ていた。


軽いクリスマス仕様の紙袋を開けると、中に入っていたのは深緑色のマフラーだった。

そのマフラーを見て、十亀は嬉しそうに目を細める。



「……ありがとう。」


紙袋からマフラーを出して、十亀は首に巻いてみせた。



(やっぱりよく似合う。)

自分が選んだマフラーを着けて見下ろしてくる十亀に、いつきはそう思った。

クリスマスツリーのイルミネーションと、その十亀の笑顔に、いつきは目が眩みそうになった。





友達とのクリスマス会のプレゼントを買いに行った時に、店でこのマフラーが目に付いた。

十亀の目の色とよく合いそうな色だとすぐに思った。


買うことを躊躇しなかった。
むしろ買った時は早く十亀に渡したい気持ちで、その時がくるのを楽しみにしていた位だった。



このプレゼントを渡したら、十亀はなんて言うだろうか。
どんな顔をするだろうか。

そんな事ばかり想像した。



十亀に少し外に行こうと言われて、プレゼントを渡すチャンスだと思った。

すぐに2階に行って、コートの下にプレゼントを隠した。



十亀が手を握って、賑やかな飲屋街を歩いている内に、急にいつきは不安になった。



十亀が自分の事を好きなのはもう知っている。

今まで渡さなかったプレゼントなんて渡したら、思わせぶりな態度ではないか。



軽かったプレゼントが重くなり、いつきの気持ちも急に沈んだ。
急にプレゼントを買った自分を恥じたのだ。


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