• テキストサイズ

【WIND BREAKER:®️指定】My friend

第3章 私だけの貴方






自分の中に2人の男の人が居る。




それはもちろん梅宮で、十亀でもあった。



そんな自分の感情を、いつきは『気持ち悪い』と思っていた。

自分が好きなのは梅宮1人だ。


そう思う感情と、十亀に気持ちが傾く自分と。

自分の気持ちに折り合いがつかない。




梅宮を見たかったら簡単だった。

彼が何処に居ても、その目はいつも梅宮を追っていた。



『今ならあそこに居るかもしれない。』


そんな予感はいつも当たって、いつきは見たい時に梅宮の笑顔を見れた。




いつきは廊下の窓越しから、いつも人に囲まれている梅宮を見る。


その表情はいつも笑顔で、笑い声が絶えない中心にいつも梅宮の姿があった。




だけどそれはいつも、このガラス窓を隔てた距離だった。


自分はあの中の梅宮とは一緒に居れない。




いつもこの距離。



ふと梅宮に手を伸ばすと、必ずガラスがその手を阻んだ。




そんな梅宮の姿を見て、いつも胸が締め付けられて涙が出そうになる。



いつきはもう知っている。

愛しい相手が目の前に居たら、自分がどんな表情をしているか。



十亀が自分を見る様に。
いつきの目はその気持ちを隠さずに、梅宮に向かっている。




彼は本当に自分の気持ちに気付いていないのだろか。



実際、いつきも十亀がその気持ちを言うまで、彼の気持ちに気付かなかった。


それに気が付いた今。
何でその気持ちに気が付いたのか。
そんな表情を向けられたら、どんな気持ちになるのか。


いつきは全てを知っている。



/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp