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【WIND BREAKER:®️指定】My friend

第3章 私だけの貴方


ポケットから手を出した梅宮からは、小さな飴やらお菓子が握られていた。

いつきは梅宮らしいポケットの中身に笑いそうになった。



お菓子と一緒に握られていたチケットをいつきに渡した。


「クリスマスは商店街手伝っているから来てくれる?」



渡されたのは、商店街にある洋菓子店のクリスマスケーキの予約券だった。

年末はいつきの家もかき入れどきだった。
それでもクリスマスの夜はいつも遅めの時間に家族でケーキは食べた。



夏祭りと違って、クリスマスケーキを買いに行く時間位はあるはずだ。

そう思って、いつきは梅宮から予約券を受け取った。



「…ありがとうございます…。」

そう嬉しそうに笑って言ったいつきに、梅宮もまた笑顔になる。




梅宮と過ごせる日々のカウントダウンが始まった。



この気持ちだけは最後まで持っていて、卒業式の時に一緒に手放そう。

その時は、とても良い初恋だったときっと笑顔でいられるはずだ。


いつきは貰った予約券を握りしめて、本当にそう思った。















「いつき…クリスマス…。」
家に来た十亀にクリスマスの予定を聞かれる。


「……いつも通り、家でクリスマスケーキ食べる位だよ…。」
「……………。」


クリスマスイブの昼間は、友達の家でプチパーティーをする予定だ。

そしてクリスマスの日には商店街でクリスマスケーキを買って、少しでも梅宮を見れたら御の字だ。


いつきが友達とのプレゼント交換に何を買おうかスマホをいじっていると、十亀の手がいつきの太ももに触れた。


いつきの体が小さく反応して、いつきはびっくりした様に十亀の顔を見た。


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