• テキストサイズ

【WIND BREAKER:®️指定】My friend

第2章 幼馴染は殻を脱ぐ




いつきにキスをしたのは、まだ中学に入って1ヶ月も経ってい頃だった。

我ながら、我慢が効かないなと呆れた位だ。




離れてたった1ヶ月で、十亀はもういつきしか好きにならないと決めていた。


その頃はまだ、いつきの部屋で遊んでいた。


いつきの制服姿に見慣れた頃、この姿を自分が知らない男達に見られている事に、物凄く腹が立った。


一階の店にはいつきの父親が居る。
一瞬だけいつきの母親の顔も浮かんだ。

だけどもうその感情は抑えられなかった。



いつきが顔を上げた時に、十亀はゆっくりといつきに顔を近付けた。

目を伏せていつきの顔を見ると、いつきは驚いた顔をしていたが、止めたり嫌がったりはしていなかった。



そのままいつきの唇に触れると、一瞬だけキスをした。



お互いにベットの下に座って、やり場のなかった手は必死にいつきのベットを掴んだ。

その昂りをいつきに気取られ無い様に、いつきには触れずに、軽いキスですぐに顔を離した。



『…………………。』



お互いに無言でしばらく見合っていたが、どちらからでも無く顔を逸らして気まずそうに顔を俯かせる。



『……こんなに早くするとは思わなかった……。』

いつきは少し顔を赤らめてボソッと言った。
どうやらいつきは、十亀とキスをする事は簡単に受け止めた様だ。



だけど十亀は知っている。
いつきと自分ではキスをした気持ちは全然違うと。




いつきは何処か好奇心で、十亀のキスを受けた様な印象がある。
自分は、いつきだからキスがしたかったのに。
/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp