• テキストサイズ

【WIND BREAKER:®️指定】My friend

第1章 ®️彼は何故堕ちたのか


十亀と入れ違いで店に入る時に、十亀の腕にぶつかった。

十亀はいつきを見下ろしている様だけど、いつきは顔を上げれなかった。



レジの前に行き、いつきはこの気持ちが何なのかすぐに分かった。



初めて十亀を怖い時思ったのだ。

それは友達だと思っていた男の子を初めて男の人だと認識した。
そんな気まずい気持ちだった。




でも結局十亀は、その後いつきに何か言う事も無かった。

あの瞬間が無かった様に、普通に居間でゲームをして帰って行く。




ほら大丈夫だ。
私達は何も変わらない。


店から出て行く十亀を見送って、いつきはそんな不安な気持ちを、自分達の思い出で消した。



しかしいつきの思いとは裏腹に、十亀はしばらくいつきの家には来なかった。


そして迎えた神社の祭りの当日になって、いつきは十亀が店に来ない事で不安を覚えた。



いつきと十亀はいつも店で会って、そのまま神社に行くのだった。

祭りが始まる前から、出店の用意を手伝って、祭りが賑わいを見せるまで店番をして、その後2人で祭りを回って家に帰る。




そのいつもの時間に、十亀の姿は見られなかった。


「条、どうしたんだ?」

「……知らない。」


父親の言葉に、いつきは簡単な返事だけで会話を終わらせる。

いつもならすぐに十亀に連絡を入れるはずのいつきが、今日は何もしない。


その行動が全てを物語っている様で、父親もそれ以外十亀の話題は出さなかった。



いつきは十亀が来なくても、いつも通り店を出て、出店の準備を父親と2人でした。



/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp