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【WIND BREAKER:®️指定】My friend

第1章 ®️彼は何故堕ちたのか


『今年の夏休みは海行きたかったからちょうど良かった。』



海?条が?

全然似合わない。
その一緒に居たと言う女の子と行くのだろうか。




『……私は真夏に海は行きたくないなぁ。』
『………誘うのはお前じゃないよぉ…。』


十亀はゲーム機から目を離さないでそう言った。



お小遣いが貰える十亀に小さな意地悪を言いたかった。
そしたらその意地悪は、また小さい意地悪で返ってくる。


でもいつきは本当に思っていた。

海に行って笑っている十亀より、毎年一緒にお祭りに行って笑っている十亀の方がよっぽど似合っている。



結局、中学校になって初めての夏休みは、いつきはほぼ毎日花壇の手入れがあり、小学生の頃の様に、十亀と過ごす時間は少なかった。


久しぶりに会ったのは、神社の夏休みで、十亀は相変わらず1人で来た。



十亀の隣に知らない女の子が居なくて少しホッとしたのを覚えている。
それは嫉妬とは少し違って、十亀が離れていく寂しさの様なモノだった。







そんな去年の夏休みを、店の手伝いをしている十亀を見ながら思い出していた。

トラックに積み込みが終わって、いつきと十亀は店番を任せられた。



「……どうしたのぉ?」

「んー…別に……。」



物思いに耽ってしまって、ぼんやりしていたいつきの顔を十亀が覗き込んだ。




今年の夏休みはどんな風に過ごすのだろう…。



いつきは不思議に思っていた。
去年はいつも通り、十亀と過ごすと思っていた夏休みに、会いたいと思ったのは梅宮だからだ。



この気持ちを十亀に伝えたら、十亀も昔自分が思った様に少しは寂しく思ってくれるだろうか。



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