私の陽だまりくん(前編)【WIND BREAKAR】
第17章 約束
「あ!梅宮さ〜ん!ひまりさ〜ん!」
河川敷に到着した私達に気付いた楡井くんがこっちです!と、手を振ってくる。
「皆、待たせてゴメンな〜!」
はじめの言葉に呆れ顔の柊。
「ったく‥。陽丘、大丈夫か?」
椿から事情を聞いた柊が心配そうに私を見る。
「うん。はじめが助けてくれたから、大丈夫。‥遅れてゴメンね。」
「そうか、なら良かった。あぁ、それは気にすんな。」
安心したように笑う柊の背後には、見慣れた面々がレジャーシートを敷いて待機していた。楡井くん、桜くん、蘇枋くん、杉下くん、柘浦くん、桐生くん。新入生の主要戦力6人と、椿とことは。
私とはじめの姿を見て手を振ったり、頭を下げてくる。
「ひまり!!」
「ひーちゃん!!」
駆け寄って来る、椿とことは。
「2人とも‥心配かけてゴメンね。」
はじめと一緒に来た私に安心したような表情を浮かべる2人。
「さ、こっちに来て座って!」
椿に手を引かれてレジャーシートに座った私は、屋台で買った食べ物を袋から出して広げた。皆、私とはじめが買って来た食べ物に大喜びで目を輝かせた。
「たくさん買って来たから、皆いっぱい食べろよ〜?」
"いただきます!!"
はじめの言葉を合図に食べ物に次々と箸が伸びたと同時に、夜空に打ち上がる大輪の花火。
周囲で上がる歓喜の声に、箸を止めて花火を見上げる私の横に座るはじめ。視線を向けると、嬉しそうな顔で私を見つめていて。
「‥ ひまり、楽しいか?」
うん、と頷く私。
「皆と一緒だと凄く楽しいし‥ご飯も美味しいね。」
「だな!!」
そう言って、はじめと一緒に食べながら花火を楽しむ皆を見る。時折、取り合いもしながら食べ‥あっという間に空になっていく容器。ケンカすんなよ〜と、声を掛けながらはじめも箸を口に運んで美味しそうに食べる。
そのはじめの姿を見て、私はふと大事な事を思い出した。椿とことはから貰ったケーキの事。はじめの袖を引っ張り、耳元で伝える。
「はじめ、あんまりお腹一杯にしないでおいて?椿とことはから、はじめと食べてって、ケーキ貰ったの。」
私の言葉に、分かったと頷くはじめ。