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私の陽だまりくん(前編)【WIND BREAKAR】

第17章 約束



それくらい私は、はじめの事が大好きで。

‥仕方なかったの。

「アタシは梅とひまりがどんな選択をしたって、ずっと2人の側に居るから。」

私の手を強く握る椿。

「‥でも、絶対幸せになって欲しい。そうじゃなきゃ‥許さないんだから!」

そう言って抱きついてくる椿。

涙でぐしゃぐしゃの2人に、ぎゅうぎゅうにされながら私の心は満たされていた。

「‥ありがとう。椿、ことは‥大好き。‥ずっと側に居てね。」

自然と笑顔が溢れた。
私の笑顔に顔を歪める2人。

「‥っ、も〜!!絶対、泣かないって決めてたのに!」
「‥うぅ‥、ひーちゃんのバカ〜!!」

‥余計に泣かせてしまった。

その後、ようやく泣き腫らした目を冷やして落ち着いた2人。

その頃にはあっという間に夕暮れが近づいていて。私達は、夏祭りへ向かう準備を始めた。

椿がメイクをしてくれている間に、ことはがヘアセットをしてくれる。

「鏡見るの楽しみだな〜」
「最っ高〜に、ひまりの可愛いも綺麗も引き立たせてみせるからね〜♪」
「ひーちゃん?梅に、絶っ対!可愛いって言わせて、照れ顔拝ませて貰うから!」

あーでもない、こーでもないと賑やかな2人。
楽しく会話しながら、私はずっと笑っていた。

‥1時間半後。

メイクも、ヘアセットも、浴衣の着付けも済ませた。

「「完成〜!!」」

手を叩きながら私を見て、目を輝かせる2人。

「‥どう‥、ですか?」

まだ、鏡を見ていない私はその場で一周回って首を傾げる。

私の行動に目を閉じて、息を吸い込む2人。

「「チョ〜可愛い!!!!」」

と、声を揃えてグーサイン。

2人に背中を押されて、ワクワクしながら鏡の前に立った私は‥鏡に映る自分の姿に嬉しさが込み上げた。

やっぱり椿のメイクは相変わらず天才で。
ことはのヘアセットは私に良く合うものになっていて。

サイドで緩くふんわり編まれた三つ編みに手を触れて微笑む私。小さな向日葵の髪飾りがお洒落に付けられている。

「‥ね、可愛いでしょ?」
「その髪飾りは、椿と私からのサプライズプレゼント!」

私の肩に手を置いて、鏡越しに私を覗き込む2人。

「うん、最高!」

私も笑顔でグーサインをした。


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