私の陽だまりくん(前編)【WIND BREAKAR】
第15章 夏休み
椿と連絡を取り出したことはをニコニコと眺める私。
〜♪
はじめからメッセージが返って来た。
"分かった!じゃあ明日、朝早く迎え行くな〜!!涼しい内に済ませるぞ〜!"
‥えーと??
済ませるって‥水やりとか、収穫って事かな?
そんなに広大な菜園なの‥?
その瞬間、とてつもなく広大な菜園を想像して思わず笑ってしまった。
はじめらしいデートの約束。
予測不能で、未知な感じが楽しい。
"待ってるね。明日楽しみにしてる!"
そう返信して、冷蔵庫を確認する。
お弁当作って行こう。
休憩を終えて夜になると、常連さん達の時間。
カウンター越しに、いつも通りの世間話に花を咲かせる。
「あ、そうだ!ひまりちゃん、これあげるよ。」
そう言って差し出されたのは"ビーチフラッグ大会"の参加券。
「ビーチフラッグ大会‥?」
差し出された参加券を受け取り、首を傾げる私。
「そう!はじめくん、そういうの好きそうだからさ!ついでに海でデートとかいいんじゃない?」
ウィンクしながら、近所のおばさんが言う。
確かに、はじめ海好きだし喜びそう‥。
「優秀したら景品とかもあるみたいよ?」
と、参加券の下に記載されている文を指差してくる。
「本当だ、面白そう‥!ありがとうございます!」
お礼を言って、有り難く参加券を貰う事にした。
これ、皆で行ったら楽しそうだから‥明日はじめに相談してみよう。
その後も、常連さん達とお店の閉店時間ギリギリまで楽しくおしゃべりをした。
閉店後、帰宅することはを見送り2階へ上がった私は、エプロンのポケットから貰った参加券を取り出してテーブルに置いた。
「海かぁ‥何年ぶりだろ?」
また、次に会う口実が出来た喜びに胸が躍る。
はじめ‥喜んでくれるかな。
‥そんな事を考えながら眠りについた。
***
翌朝。
アラームが鳴る前に目が覚めた私は、思っている以上に楽しみにしていた自分に気付き笑った。
ベッドから出て、着替えと身支度を整える。
お洒落したかったけど、今日は動きやすいようにTシャツとパンツスタイル。長い髪をポニーテールにしてまとめた頭にはキャップを被って手首にお揃いのブレスレットを付けた。
「‥よし、着替えは完了!」
お店に降りて、お弁当を作りながらはじめを待つ。