私の陽だまりくん(前編)【WIND BREAKAR】
第15章 夏休み
7月中旬。
世間は夏休み真っ只中。
私は、ことはと目まぐるしく店内を行き来していた。毎年この時期は朝から人が絶えずに来店する。
「お待たせしました〜、こちらポトス特製オムライスです!」
テーブルとキッチンを行き来きする私。
「ひーちゃん、オーダーお願いします!オムライスと、アイスコーヒー2つずつ!」
「はーい!」
‥息をつく暇もない。
時計が15時を回る頃、店内に静けさが戻り誰も居なくなったテーブルにようやく腰を落ち着け、アイスティーを淹れてことはと2人で休憩する。
「ひーちゃんお疲れ様〜‥」
私の目の前で、ヘトヘトになっていることは。
私はそんなことはに、アイスクリームを作って差し出した。
「ことはもお疲れ様〜」
差し出したアイスクリームに、嬉しそうにスプーンを手に取ることは。
私は、アイスティーを飲みながらスマホを手に取りメッセージを確認した。はじめと椿から数件のメッセージ。
はじめからのメッセージは‥
"明日、お店休みだろ?菜園に遊びに来るか?"
はじめは学校の屋上に菜園を作って野菜を育てている。
写真を見せて貰ったりして話は聞いているが、実際に見に行った事はまだない。
ちょっと気になるかも‥。
今は夏休み中で、学校には誰も居ないから誘ってくれたのかな?
それに、ここ数日お互いに忙しくて会えてなかったから会いたいな。
"うん、行きたい!"
だから、迷わずそうメッセージを送った。
椿からのメッセージも確認する。
"ことはに忙しいって聞いたから。ちゃんと休憩しなさいよ?絶対無理しない事!‥あと、デートも忘れずにね〜?"
椿からのメッセージに笑みが溢れる。
"ありがとう。椿も体調気を付けてね!はーい!デートも、ね!"
返信して顔を上げると、楽しそうな私にニヤニしていることは。
「ひーちゃん楽しそうだね〜?‥梅から?」
‥私、そんなに顔に出てたのかな?
「うん、はじめと椿から。」
「モテモテだね〜?」
そう言って、明日どうしようかな〜と呟くことは。
「椿とお買い物とか‥どう?」
せっかくのお休みだから、ことはにも息抜きして欲しい。
「あ、確かに!そうしようかな。」
私の言葉に早速、スマホを手に取り椿に連絡し始めることは。