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私の陽だまりくん(前編)【WIND BREAKAR】

第14章 稽古と嫉妬



いつの間にかまたソファに押し倒されていて、首筋に強く押し付けられたはじめの唇にくすぐったいやら、恥ずかしいやらではじめの腕を掴んで固まる事しか出来ない私。

「‥痛っ‥」

首筋に感じた微かな痛みに思わず声が出た私に、ようやく首筋から唇を離すはじめ。

「‥いい加減、ちゃんと自覚して。」

そう言って、再びお互いの唇が触れ合った後。

「‥自分が誰のものか自覚して。」
「‥うん、ごめんね‥。」

グイっとソファから身体を起こされ、抱きしめてくるはじめの腕の中で静かに頷いて謝る私。私が謝ると安心した様に優しく笑うはじめに、いつものはじめに戻ったと胸を撫で下ろして安堵したのも束の間。

‥そこからは長々と説教をされた。

私はただ黙って聞くしかなく‥。我慢していた自我を解き放ち、言いたい事を言ってスッキリしたはじめから解放されたのはそれから2時間後。

私はしょげながら、帰っていくはじめを見送り‥ぐったりしながらシャワーを浴びる為に浴室に向かった。

頭からシャワーを浴びながら目を瞑って溜め息をつく。

私、ホント何やってんだろ‥。

はじめからあんなに圧を感じたのは初めてで。自分の軽はずみな行動で不安にさせて、あんな顔までさせてしまった。

目を開けて、鏡に映る自分の首筋に付けられた嫉妬の痕に手を触れる。

こんな事までさせてしまった事も‥再び深く反省する。

それから、落ち込みながらシャワーを済ませてリビングに戻った私はソファに座って濡れた髪を乾かしながらぼんやりしていた。

「‥稽古、やめた方がいいのかな‥」

色々気を付けろ、って散々言われた先程の説教攻撃にはこれからの稽古についての話が無かった。

‥無言の圧って事?

「もう‥分かんないよ‥。」

パンク寸前の頭でベッドに倒れ込んだ私はそのまま眠りについた。

‥この時のモヤモヤは後日、晴れる事になる。

次週の稽古日。
小言を言われると思っていたのに、意外とあっさり私を見送るはじめ。‥ちなみに首筋の痕はまだ消えていない。だからなのかは、分からないが。
私は、痕が残る左側に髪の毛を流して緩めに三つ編みをして隠していた。

そんな私を見て、

「頑張れよ〜」

と、何故か上機嫌なはじめを不信に思いながらも稽古を始めたその時。‥身体を動かすと、首筋の痕が髪の毛でカバー出来なくなるという事に気付いた私。

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