私の陽だまりくん(前編)【WIND BREAKAR】
第11章 はじめとわたし2
これは君が突然、私の前から姿を消す前年の話。
いつものように遊んでいる時に、私にある"報告"をしてきたはじめ。
「オレに"きょうだい"が出来るんだって!!」
それは‥自分かもうすぐ、"お兄ちゃん"になるという事だった。
弟かな、妹かな?と、嬉しそうな笑顔を浮かべながら君は。お兄ちゃんは、弟と妹を守るものだと映画や本で学んでかっこいいとずっと言っていた。
だから、自分も産まれてくる"きょうだい"を守ってあげるんだ!と。
あの時、そんなはじめを見て私も凄く嬉しかった。はじめなら、凄くいいお兄ちゃんになるだろうな、と。
「そっか!楽しみだね!」
「うん!!」
「今、お父さんとお母さんとオレで名前考えてるんだ〜」
「ふふっ、楽しそう!」
「凄い楽しいよ!早く会いたいな〜」
笑顔でそんな会話をしながら幸せに満ちていたはじめ。
ーけれど。
最悪の形でその幸せに溢れた未来は‥奪われた。
普段と変わらず、楽しく家族で過ごしていたとある休日に君は。
‥目の前で。
両親ときょうだいを亡くした。