• テキストサイズ

私の陽だまりくん(前編)【WIND BREAKAR】

第9章 脱・お姫様[終]決行、陽の下(もと)へ



‥‥〜♪〜♪

翌朝、スマホのアラームで目を覚ました私はまだ眠たい目をこすりながら伸びをした。

時刻は朝の7時。

「朝ご飯作らなきゃ。」

隣で眠る椿はまだ起きない。

洗面所へ行き、顔を洗って髪を適当にまとめる。
台所に向かう途中で起床した祖父と鉢合わせした。

「おはよう、おじいちゃん。」
「ひまり、おはよう。朝ご飯の支度手伝うよ。」

2人で台所に立つのは久々。
お店の新メニューの話をしながら楽しく準備した。

朝食は玉子サンドとコーンスープ。
お店の朝の定番メニュー。

椿と祖父のお気に入り。
朝食が出来上がる頃に椿が起床して来た。

「おはよう〜、う〜ん!良い匂い♪」

テーブルの上に並んだ朝食に目を輝かせる椿。

「おはよ!準備出来たから食べよ。」

他愛もない話をしながら楽しく食事。
朝食が済むと祖父は予定があると言って外出した。

私と椿も支度を始める。
いつもと同じようにメイクをしようとした私。
すると、ストップ!と椿にメイクポーチを取り上げられた。

「今日は記念日よ?デートするチャンスよ??いつもよりうーんと可愛いくして梅をドキドキさせちゃいましょ!」

任せなさい♪と、張り切る椿にされるがまま1時間。

「‥出来たわよ!ハイ、鏡見て?」

鏡を受け取り確認する私。

「凄い‥」

私の顔のパーツや肌色・骨格に合わせた完璧なメイク。自分のはずなのに別人みたいに輝いて見えた。

「ね、凄いでしょ?やっぱりアタシ天才だわ〜!」

私の反応に満足気な椿。驚きで言葉を失っている私を手早くコーディネートし始める。

椿が選んでくれた服は私のお気に入り。購入するも着る機会がなく、祖父の家に置いたままにしていたオフショルダーのガーリーな淡いブルーのワンピース。

身長が低く、幼く見えるのがコンプレックスだった時期に少しでも大人っぽく見せたくて背伸びをして買ったもの。家の中で一度だけ着て満足して‥忘れかけていた。

最後はヘアセット。

胸まである長い髪をサイドで編み込みした後、下にかけてゆるくふんわりとした三つ編みにしてくれた。仕上げにお洒落なヘアピンで装飾してバランスを整えてくれる。

それから全ての準備が整った私は‥

「完成〜!!も〜、チョー可愛い!!」

と、手を叩いてはしゃぐ椿に姿見の前に立たされた。












/ 102ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp