私の陽だまりくん(前編)【WIND BREAKAR】
第8章 脱・お姫様4 girls talk
*椿のひとりごと*
隣で眠るひまりの穏やかな寝息を確認して静かに目を開けた。横を向いてその無防備な寝顔をしばらく見つめる。
‥小さな顔。
配置の整ったパーツ。
始めて会った時から変わらないあどけなさ。
穏やかで、優しくて‥ふわふわしてるくせに、揺るがない芯が心にちゃんとある。あと、梅が気付いているかは分からないけど‥意外と気が強い所もあって‥結構逞しいのよね。
それに。
美人も可愛いも兼ね備えているなんてホント‥嫉妬しちゃう。
幸せそうな顔しちゃって‥
時折、眉をしかめたり、微笑んだり。
梅の夢でも見てるのかしら?
コロコロ変わる表情は見ていて飽きない。
梅が、ひまりに惹かれた理由が分かる。
心が綺麗で‥悪意なんて一切感じない。
一緒にいると安心するし癒されるの。
お花みたいに可憐で人を惹きつける魅力があって‥夢中になる。
そんなの‥無条件に守りたくなっちゃうから。
‥羨ましいわ。
アタシの大切な恩人で。
大好きな親友。
お姫様が嫌だって聞いた時、アタシ嬉しかった。
‥あんたは強い心を持っているから。
梅と2人なら大丈夫よ。
外に飛び出してほしい。
囚われのお姫様なんて、ひまりには似合わないから。
明るい陽の下で笑っていてほしい。
‥だから。
あんたがちゃんと強いって事‥過保護な王子様に分からせてあげなきゃ、ね?
明日は2人の記念日。
最高のシチュエーション。
‥ワクワクしちゃう。