第4章 朝陽
side黄瀬
「…いや?」
嫌なわけないじゃないっスか…
てか、これ勘違いじゃないっスよね?
「こんなこと言うのちょーアレなんだけど
…俺けっこー限界なんスわ……」
抱けなくていいなんてずっと言ってたけど本当は抱きたくて抱きたくてどうしようもなかった。
無理はさせたくないけど、いいって言われてしまうと、途中でつばきの気が変わった時にやめてあげられるかと聞かれると自信がなかった。
自然な流れでしようってなった時は、最後まではできなくていいって心づもりでいるし、最後までするつもりもないから理性はちゃんと働いた
だけど、今の言い方は完全に俺の理性を崩しに来てるとしか思えない。
“教えて”なんて言われたら、我慢とか理性保つとかホント無理な気しかしない。
いつもだってめちゃくちゃ可愛いけど、こんな可愛い言い方されて、照れてるつばきはホント可愛すぎておかしくなる
抱く前からこんなに可愛いなんてズルすぎて、俺のダサい本心が隠せなかった
「限界?」
「そうっスよ。知りたいならいくらだって教える。だけど、途中で止まれる自信ないんス……」
こんなこと言って我慢させたら元も子もないなんて百も承知
だけど、暴走してからじゃ遅いから
少しでも心に引っ掛かりがあるなら今言ってもらうしかないんだ
「止めなくていいから……全部知りたいの」
あー……
理性が崩壊するってこういうことっスか……
ブチッと音を立てて何かが切れて、支えがなくなったそれはガラガラと崩れる。
「もう…ベッドまで待てねぇっスわ…」
「えっ!?でもソファがよごっ……」
ソファなんて元々つばきの為のものなんだから、つばきが汚すなら全然いい
抑えきれない欲望を少しでも和らげたくて、つばきの言葉を最後まで聞かないまま唇をかさねた。
反論なんてさせない
もう待てない
ぴちゃぴちゃとリビングに響き渡る水音
少し目を開けた時に見えるつばきのトロトロの顔
俺だけのもの
誰にも見せない
はぁっっ……りょっ…ンッッ!!
その声も俺だけのもの
誰にも聞かせない
「全部…俺のっスよ。俺だけに…全部ちょーだい」