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北風と太陽【黒子のバスケ】

第4章 朝陽


そして、待ちに待った瞬間。


4時を少し過ぎた頃エントランスのチャイムが鳴らされて、インターホンには家具屋さんの配送センターを名乗る男性


コンシェルジュに大型荷物専用のエレベーターに案内をしてもらって部屋に到着した。


涼太が業者さんと色々話しながら位置を調整して、最後に床が傷つかないようにソファの脚に保護フィルムが貼られて、都内のショールームで見たまんまの大型円形ソファがリビングにセットされた。


すごい……


でっかいし、綺麗だし……

何よりも座った感じが本当に最高
ベッドとして使えるっていうのも頷ける。


さすがに高額だから、実物を見ないで買うのはちょっとって事で相談をしたら、都内のショールームにあるからって見せてもらうことができたこのソファ。




業者の方に引き渡しのサインをして搬入の時の傷がないかを一緒にチェックし終わって見送ると、二人で一目散にソファに飛び乗った


「つばき‼‼こっちおいで」

キラッキラの笑顔で呼ばれて迷わず広げられた腕に飛び込むと、一気にあたしを抱き上げて上に持ち上げてくれた。



「ほんとはちょっとしたいっしょ?」

「…うん(笑)」

「「アー‼ツベンニャー‼‼‼」」



このソファを一緒に選んだ日あんずと青峰さんがやってたこれ。

なんか本当に仲良くていいなって少し羨ましかったことを涼太は気づいてくれていたのかもしれない。


ひとしきり大笑いして涼太があたしをそのままぎゅっと腕の中に閉じ込めて、吐き出すように、でも体中に響くような甘い声で、何度言われても嬉しい言葉を言ってくれた。






「つばき……愛してる」


「あたしも……涼太を…愛してる」


本当に私はこの人を愛してる

言われたから返したんじゃない。

言いたくて言いたくてどうしようもないほど溢れる気持ちが、言葉にならない程込み上げて、これしかないって思うからこの言葉を返した


「もっともっと甘えていいんスよ。全部受け止められる男になるから」


取り繕ったり、飾ったりしない、素で甘えて、それを全力で受け止めてくれる相手がいて


あたしはきっと、そんなあんずがずっと羨ましかった

そんな相手が欲しいという気持ちがずっとあった

全てを受け止めてくれる相手が、ずっとずっと欲しかった
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