第4章 朝陽
自分の部屋を引き払って、仕事が落ち着いたところで涼太との生活が始まった。
今日は涼太と決めたあの超高級ソファが家に届く。
午後4時ころの配達だってことは昨日の時点で連絡がきていて、二人でそわそわしてしょうがない。
「ソファ届いたら、青峰っちたちみたいにジャングルキングごっこする?」
「しないよっ」
なんだかんだ言いながらもあたしもすごく楽しみで、届いたら一緒にまったりしたいって思ってたから、配達してもらう日は二人のお休みが重なる土曜日にしてもらった。
涼太が治療に協力をしてくれるようになってから月に2回、隔週の土曜に涼太はお休みを取ってくれて、一緒に病院に行ってくれる。
すごく真剣に話を聞いてくれて、先生が言ったことは必ず守ってくれるし、変に気遣いしすぎずに普通にしていてくれる。
それのおかげで、少しずつ良くなっていて、息が止まるほど声を我慢することはなくなって、恥ずかしさのあまり泣くこともなくなった。
涼太はすごく優しく触れてくれるし、羞恥心を煽られるような下品な言葉も一切言わない。
あたしが恥ずかしくて顔を隠すと手に何度もキスをしてくれるけど無理矢理顔を出させようとはしない。
涼太はとにかく優しかった
少しでも先に進めるとぎゅっと強く抱きしめて何度も愛してるって言葉を言ってくれた。
「じゃあ、これ一緒に見よ」
「え!買ってきてくれたの⁉」
涼太が持っていたのは、30歳で年齢が止まった不老不死の女性が本当の恋を見つけるまでの過程が描かれた話題の恋愛ムービー。
レンタルが開始されたばっかりでどこにも在庫がなくて、レンタルできないってことを一昨日話したところだった。
涼太が手に持ってるディスクパッケージはビニールがかかっていてレンタルじゃないことは明らかだった。
「だって見たがってたっしょ?今日はソファでまったり、これの鑑賞会」
にっこりと笑ってくれる涼太に思わず抱き着くと、ぎゅっと抱きしめてくれてキスをしてくれた。
「ありがとう。嬉しい」
「はははっ‼ホント…可愛い」
涼太はたくさんの綺麗なモデルさんや女優さんを知ってるのに、あたしを可愛いとか綺麗とか事あるごとに言ってくれる。
それが恥ずかしいと思う反面、すごく嬉しくていつも顔に出してしまう。