• テキストサイズ

北風と太陽【黒子のバスケ】

第4章 朝陽


side黄瀬

「つばき、やっぱソファだけはいいのにしよ。他はなんでもいいけど、ソファだけは譲れねっスわ」

「うん。分かった。でもちゃんと全部見て、それでもそれがいいならそれにしよ」


さっきまであんなに反対してたのに…


俺がソファにこだわるのには理由があった。

寝室をつばきの好みにするとは言っても、やっぱりベッドにいること自体が落ち着かないっていうのは変わらない。


この先よくなるともならないとも言い切れないから、ソファでも寝れるように、大きくて素材のいいものにしたかった。


普通のソファだと疲れも取れないし、朝まで寝たら逆に疲労が溜まっちゃうけど、俺が選んだのはデカい円形で、実際にベッドとして使う人もいるくらい素材にこだわって作られてる。

別にブランドにこだわりはないけど、ノーブランドでは同じような作りの物はないから必然的に高いものになってしまった。
今でこそ質に拘って家具を選べるようになったけど、俺だって一般家庭で育ってきたんだから350万のソファなんて高すぎるって分かってる。


でも、それでも
高くても、つばきがゆっくり休める家であればそれでいい。



「大輝!ツネンガーしてー」

「だからツベンニャーだっつーの。ほら来い」


ジャングルキングの真似をしてバカなことをやってるこのカップル


お互いに休みだとほとんど家から出ずに一日中ソファで過ごすこともあるって言ってたけど、そこに不満がある感じは一切なくて、ずっとラブラブしてる。


高いけど長く使って、色んな思い出が残る場所にしたい。


この二人みたいに、映画の真似とかして馬鹿笑いしたり、キスしたり、一緒に寝たり…


色んなソファを何種類も見ながらいろんなことを考えたけど、やっぱり最初からいいと思うものは変わらなかった。



ジャングルキングのエンディングが終わってもソファでゴロゴロするのをやめない2人がこっちを向いて、ソファのことを口にした。

「ソファは値段より質と使い勝手だ」

「高すぎって言ったのに大輝が勝手に買って大げんかした。でも買っちゃったものしょうがないから使いたおすことにしたの」

「これにして良かっただろ」

「リロイが気に入ってるから許しただけだもん」

「お前のが使ってんだろ」




さっきの俺らの話、一応聴いてたんスね…
/ 80ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp