• テキストサイズ

北風と太陽【黒子のバスケ】

第1章 北風


side黄瀬

されないって…言ってることめちゃくちゃ(笑)

けど、二人はいい関係でいるんだってことはよくわかる。

「いい子見つけられてよかったっスね」

「たまたまだったけどな。リロイのおかげだ」


リロイは青峰っちのわんこ

青峰っちがこっちに帰ってくるときアメリカから連れてきたダルメシアンで青峰っちにちょー懐いてる

日本に来たばっかりで慣れない環境のせいか、アカデミー設立で奔走する青峰っちを追いかけて、ある日実家から脱走した。


そして道に飛び出して事故に遭った

車のスピードがすごく遅かったことと、近くに動物病院があったことですぐに診察を受けられて、つけていたチップから青峰っちのところに連絡がいった。

その時リロイを診察したのが今の彼女。

血相を変えて病院に来た青峰っちにリロイの状況を説明した。
骨折しているから1週間の入院が必要なこと、今は事故で興奮してるから鎮静剤で眠ってる事、退院後も少し通院が必要なこと

ダルメシアンは環境の変化がものすごく苦手な犬種で、どうしたら飼い主がいなくても落ち着いていられるかとか、そういう細かいことまで気を回してくれてたらしい。

そんで何度か通ってるうちに、いつもニコニコしてる彼女に青峰っちは惚れちゃった。

ダルメシアンのことをもっと知りたいなんてありきたりなセリフでデートに誘って、何度目かのデートであの有名なネズミーの名作101の実写版を見て青峰っちが告白したっていうちょっとダサいシチュエーションに笑った。

「今日リロイは?」

「実家。オヤジが遊びてぇとか言って一昨日連れて行った」

「じゃあ、きゅーちゃん一人でお留守番っスか?」

「おー」


なら早く帰らせてあげて録画は借りて行けばいいかなって思ってたら……


いない。


写真がたくさん飾られたリビングはもぬけの殻で、青峰っちは寝室も開けたり他の部屋も見てるけど気配がないんだから絶対いない。

「……ったく…黙って出かけんなっつってんのによ。あのバカ」

文句言ってスマホタップして、束縛はしないしされてないっぽいけど自由なのはきゅーちゃんの方かも。

俺だって彼女が欲しくない訳じゃない。
仕事に集中したいからいらないなんて言ってるけど、分かり合えるパートナーはやっぱり欲しい。

大事にして大事にされてっていうのは人間をいい方に成長させてくれる
/ 80ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp