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北風と太陽【黒子のバスケ】

第2章 糸口


ideつばき

あんずに相談してから自分なりに病院を検索してみたけど、いい先生を自分で見つけるのは難しかった。


あれから涼太とは……会ってない。

というよりは会えてないといった方が正しい。

あんずと会ってた翌日の夕方から涼太は海外に仕事で行っていて、実際に会うことはできてない。
行き先も時差が13時間だから昼夜が全く逆転していて電話もできない。

だけど出国前のわずかな時間に電話ができてドタキャンのことはちゃんと謝れた。

「昨日はごめんなさい」

「体調は大丈夫?」

「ごめんなさい。体調不良は、嘘なの……」


嘘をつかれることが大嫌いだと言われたばかりだったのに、私は嘘をついた。
だから、これ以上嘘を積み重ねることは、関係を悪化させて、信頼が崩れてしまうんじゃないかって思って、誤魔化すことはできなかった

「会いたくない時は、会いたくないって言っていいんスよ」

嘘だと打ち明けても涼太は怒らずに、むしろ優しかった

だけど会いたくない時なんてない。
いつだって一緒にいたいって気持ちに嘘はない

「違うの。会いたくないんじゃなくてね……会って、涼太を傷つけるのが怖かった…ごめんなさい」

「俺が怒り過ぎたんスよ。つばきが一生懸命自分の事教えてくれてるのに解決できないことがもどかしくて、追い込まれてんのはつばきなのに。…俺の考えが甘かった」

「え?」


考えが甘かったってどういう意味だろ…


最後の涼太の言葉の意味はちょっとよくわからなかったけど、聞き返す間もなく搭乗時間だからって呼ばれてしまって、帰国したらちゃんと話そうって言って電話が切れた


だから会えてはいないし、生活時間が真逆だからメッセージも“やり取り”というにはつたな過ぎる。

だけど、もう気まずいとかは全然ないし、帰国したら時差ぼけや体調の調整のためにって奇跡の2連休をもらえてる。
帰国する日に涼太のお家に行くことになってるから、そこであんずに相談したことと、今後どうしていくのかを話そうと思ってる。


そのためにはやっぱり自分が現状を把握していないと難しい訳で…

結局あんずに紹介してもらった先生のところに行くことを決めた


普段なら3週間以上会えないなんて寂しくて堪らないのに、今は少しだけ離れている時間がありがたかった。
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