第2章 糸口
side黄瀬
相談して即解決って事にはならなかったけど、相談してよかった。
「遅くまでごめんっス」
「ちゃんとゆっくり二人で話せ。いっぺんに全部解決しようとすんじゃなくて藤堂のペースに合わせて二人で1こずつ解決しろ」
二人で一緒に、だけどあくまでペースはつばきに合わせて
まだ何も解決はしてないけど、糸口は見つけられた気がしたから気分は少しマシになった。
濡れない原因の記事を読んで少し気になる文面があった。
“大半の場合病気であることは少なく、8割以上がメンタル的なことに起因している”
肉体的な病気の場合は、あくまでも濡れにくくて挿入に痛みが伴うってことで、つばきのように全く濡れないって訳じゃないらしい。
青峰っちに病気のことを言われて最初はめちゃくちゃ不安だったけど、SEX嫌いってとこに何かあるのかもしれない可能性も視野に入れられた。
どっちにしても、病院に行くことは必須。
最初に体をちゃんと診てもらって、問題なければ原因はメンタルにある。
メンタル的な問題は専門家に力を借りるのが一番いいことも書かれてたから、無知な俺が色々することで状況を悪化させたくない。
愛情だけではどうにもならないことがある。
しばらくは濡れないことを考えるのはやめて、つばきが俺とくっつきたいときだけくっつたりキスしたりして、最後まですることは一旦忘れる。
つばきはちょっと頑張り過ぎてる。
俺が結構あからさまに反応してるのを気付いてるからだと思うけど、そんな事気にしなくていい。
溜まったもんは自分でだって出せるから、俺の事より自分の気持ちを優先してほしい。
俺はつばきとできないなら自分で排泄する。
他の女を抱いたり、別れたりなんてありえない。
男の精子が溜まるのなんて膀胱にオシッコが溜まるのと同じ生理現象なんだから、自分の気持ちを蔑ろにしてまで俺の排泄を手伝って欲しいなんて思わない。
俺が好きで、俺に抱かれたくて抱かれてくれるならもちろん大歓迎だけど、そうじゃないなら別にする意味を感じない。
意味のないSEXなんてむなしいだけで、ほんとに何も残らない。
ただの体力の無駄遣い
どうせ体力を消耗するならつばきと一緒に悩んだり、笑ったりしたい。