第2章 糸口
side青峰
4か月毎回じゃ、黄瀬も結構メンタルやられるだろうな…
黄瀬が下手なんてことは絶対ありえねぇ。むしろテクは相当ある。
具体的な相手は知らねぇまでも、どんなやり方がいいとかどうやって相手のイイトコを探るかってのはほぼ黄瀬との雑談で仕入れた。
おかげ様なのか知らねぇけど、その知識と自分の経験であんずの可愛いとこはたくさん見てる。
だから黄瀬が下手でってことはまずありえねぇし、浮気は疑われてすらいねぇ。
SEX嫌いは多分大学の時の元カレだってのは分かったけど、俺も細かいことは知らねぇし、本人も今は全然気にしてねぇっつってたし…
的確なアドバイスをしてやれねぇのは悪りぃけど、これは素人がどうにかしようとしてどうにかなるとは思えねぇ
体が原因かもとは言ったものの病気が原因で濡れねぇことがあるのかどうかも分からねぇから、とりあえずそういう事例がねぇのかだけでも確認をするためにパソコンを開いて検索をし始めた。
検索をすると、肉体的な病気で濡れねぇって事もあるにはあるようだけど大半はメンタルが原因でどちらにしても婦人科で相談できることが書かれてる。
「健康診断は毎年A判定だって言ってたし、病気とかじゃなきゃそれでいいんス。SEXできなくてもつばきへの気持ちが変わる訳じゃないし」
記事を読みながら独り言みてぇに言葉を発する黄瀬は本気で藤堂の体を心配してた。
「とりあえず、昨日お前が怒ったことは別に悪いとは思わねぇ。俺だってそんなん言われりゃ普通に怒る。だけどそれを言っちまうくらい追い込まれてたことも事実で、これ以上二人でどうにかしようとすんのは逆効果な気もする」
「もしきゅーちゃんだったら、どうするんスかね。オンナノコって難しい」
「女が難しいんじゃねぇだろ。好きだから難しく考えちまうんだよ。傷つけたくねぇとか我慢させて悪りぃとか、好きだからそう思うんだろ」
どうでもいい女なら別に悩まねぇ。
できなきゃできねぇで、しょーがねぇなで終われる
「女を理解すんじゃなくて藤堂を理解してやれ。俺は別に他の女のことを理解できなくても痛くも痒くもねぇけど、あんずが悩んだり苦しんでんのにあんずを理解してやれねぇとすげぇもどかしい」